第二次世界大戦

2018/07/19

 最近、サー・ウィンストン・チャーチルの第二次世界大戦の回顧録を読んでいる。

 翻訳が素晴らしいというのもあるのだが、それを抜きにしても、話の展開、語り口、優れた客観性と個人的意見のバランス、等々、あげていたらキリがないのだが、ノーベル文学賞という言葉が、ここまでしっくりくる作品もなかなか無い。

 様々な資料や研究の結果を多角的に組み合わせて、ナチスが権力の座に就くまでの軌跡など圧巻である。

 

 ただ、これを読んでいて思うのが、イギリスの議会制民主主義の成熟したありかたが実に良い。
 野党は野党としての役割を認識して、野党側の視点に立っているチャーチルもまた、与党側、ひいては政府に対して、「国民の為に力を尽くす仲間」として見ていて、必要な政策においてはきちんと協力して、政治を前に進めているのである。

 野党の仕事は反対することだと勘違いしている連中に、読ませたい素敵な著書である。

 また、政治的スタンスは違っても、相手に対するリスペクトが文章の端々から読み取れる。

 政敵とみなして、コキおろして、しまいにゃリスペクトもなにもなく相手を「カタカナ2文字で呼び捨てにする連中」に見習ってほしい姿勢である。

 

 これこそが、二大政党制による、正しい議会制民主主義のあり方だと、感心させられる描写である。

 

 ちなみに、社会主義系の左派政党である労働党の唱える「戦力の放棄を軸にした過度の平和主義」について、チャーチルは痛烈に非難している。結果論とは言え、この姿勢が第二次世界大戦を招いた元凶であるともしている。

 読んでいて感じたのだが、軍縮や軍備放棄による平和への道というのは、ある種「マイナス側から論じた勢力均衡」に過ぎないのだなぁという事を強く感じた。

 お互い、戦争になったら大打撃になるだけの戦力で釣り合っていれば戦争が起きない。という勢力均衡の考え方。
 お互い、戦争になったら苦労する程度の戦力しかもっていない。というのも、これも勢力均衡に過ぎないのである。

 第一次大戦で失敗した考え方である勢力均衡から結局脱していなかったという点が興味深い。

 

 キンドルで買えるので、是非読んでみてほしい。

 

 天の神様

 優れた政治家であり、文筆家でもあったサー・ウィンストン・チャーチルがそちらで幸せに暮らしていることを、父と子と聖霊の御名においてお祈り申し上げます。

 えいめん!

コメント

  1. 匿名 より:

    買って読んでみようと思うのですが、タイトルを教えてくだされ!!

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